「逃げるは恥だが役に立つ」vs. 「石の上にも三年」

仕事について

「逃げるは恥だが役に立つ」は日本の漫画のタイトルで、2016年にドラマ化して大ヒットしましたね。誰でも踊れる「恋ダンス」でも話題になりました。

今でも覚えている方は多いのではないでしょうか。

また、ドラマの主演である新垣結衣さんと星野源さんの結婚もたくさんの人を幸せな気持ちにしてくれました。

そんな「逃げる」ことの大切さを説くことわざがある一方で、「石の上にも三年」という物事を継続する事の大切さを教えてくれることわざも存在します。

今回はそんな「逃げるは恥だが役に立つ」と「石の上にも三年」の本当の意味と、それぞれを使い分けることについて解説していきます。どちらも頑張っているすべての人の心を支えてくれる言葉です。ぜひ最後まで読んでみてください!

「逃げるは恥だが役に立つ」の意味は?

「逃げるは恥だが役に立つ」というフレーズは、ドラマのタイトルとしては聞きなれているけど、実際はどのような意味なのでしょうか?

逃げるは恥だが役に立つ」とは?

ハンガリーのことわざ「Szégyen a futas,de hásznos.」の和訳。
「問題と向き合わず逃げることは普通に考えると恥ずかしいことだが、逆にそれが最善の解決策になることがある」という意味で使われる。
出典:よみタイ

この言葉が教えてくれる教訓について解説していきます。

働く場所を選ぶこと

このことわざは「いま自分がいる場所、置かれている状況にしがみつく必要はない」という意味でも使われます。

今の環境が自分に合っていないと感じたらその場から逃げても大丈夫だということです。
もっと自分がやりたいこと、得意なことが活かせる場所に移れば、結果的に自分にとっては良い変化になるかもしれません。

これは逃げる=終わりという意味合いではなく、逃げる=新たなスタートというポジティブな意味です。

本来、人間が何をするかはいつだって自由なんです。自分がいま置かれている状況(会社)や他人に自分の人生の主導権を握らせないようにしましょう。

いつだって選択できる、ということを覚えておくことが大事です。

自分を守る

「逃げるは恥だが役に立つ」は自分が追い詰められている時に励ましてくれる言葉でもあるんじゃないかな、って思います。

生きていると頑張らなければいけない時がたくさんありますよね。

特に日本人は我慢強い人が多く、「どんなに辛くても耐えること」が美徳とされることが多いです。

「辛い」と感じるのはあなたが打たれ弱いからだとは限りません。
たくさんある場所の中で、たまたま選んだ環境が自分に合っていなかった。ただそれだけのことです。

頑張れないのに自分にムチを打って頑張ろうとすると、いずれ限界が来てしまいます。そうなる前に、その環境から堂々と逃げてしまいしょう。

逃げることが、自分自身を守ることに繋がります。

「石の上にも三年」の意味は?

もう一つ、日本のことわざで「石の上にも三年」という言葉があります。

色々な場面で使われている言葉なので、一度は耳にした人も多いのではないでしょうか。私も新入社員のころよく聞いていました。

実際にはどのような意味なのでしょうか。

石の上にも三年」とは?

「我慢強く耐え忍べば、必ず成功する」という意味。
たとえ冷たい石でも、三年間座り続けて入ればあたたくなるということから由来している。
出典:小学館

ことわざに出てくる「3年」という数字から、「どんな状況であっても、3年は我慢するべきだ」というニュアンスで使われることが多いのかなって気がします。

でも実際にこの「3年」は言葉通りの3年ではなく「長い間」という意味で使われているそうです。

「成功するためには時間と忍耐が必要」だということを伝えているのであって、「どんな状況であっても3年は我慢する」というような辛抱強さの意味合いで使っているわけではありません。

前向きな意味での忍耐力

「石の上にも三年」という言葉が本当に大事な意味をもたらすのは、自分が本当に成し遂げたいことがある場合です。

「逃げるは恥だが役に立つ」は自分にとって本当に居心地が悪い状況にいるのであれば逃げても構わない、ということを教えてくれました。

例えば、自分がいたくない場所から離れて新しい場所でやり直すこと。

その新しい場所で最初から活躍するのは難しいかもしれません。どんなに得意なことや好きなことであっても、だれでも最初は初心者です。慣れるためには忍耐や精神力が必要になってきます。

それでも、その先に自分の叶えたい目標があるのであれば、その時は「石の上にも三年」の精神で頑張ってみる価値はあるのではないでしょうか。

逃げるべきか、残るべきか

「逃げるは恥だが役に立つ」と「石の上にも三年」の意味を解説していきました。

では、どちらの教えに従うべきなのでしょうか。

状況によっては逃げることが最善の選択かもしれないし、その場に留まるほうがその時の自分にとっては都合がいいかもしれません。

今置かれている環境を客観的に見て「逃げるべき状況」と「残るべき状況」を見極めることが大切です。

価値観を明確にする

「逃げる」べきか「留まる」べきか、迷うようであれば、自分の価値観を明確にしましょう。

価値観とは、大事にしている考え方やものの捉え方です。

例えば迷っている理由が「家族との時間を大切にしたいのに残業が多くて帰りが深夜になってしまう」場合。働く場所を変えることで、家族と過ごせる時間が増えるかもしれません。
自分の価値観に沿った行動になっています。

でも、その迷いが嫌なことに向き合う恐怖や不安から来ているようだったら一旦立ち止まって考えを改めてみたほうがいいかもしれません。

例えば、慣れない仕事がある場合。最初は思うように進まずにストレスを感じてしまうかもしれません。でも人間は成長します。数をこなせば、今よりも必ずできるようになります。

また、時間がたてば変わることもあります。仕事内容や人間関係も変わってきます。気がついたら解決していた、なんてこともあるかもしれません。

もちろん、自分を守ることのほうが大切です。過度なプレッシャーやストレスを感じているようだったらすぐに逃げるほうを選びましょう。

このように、自分の行動が「価値観」から来ているものなのか、「恐怖」や「不安」から来ているものなのかを判断基準にしてみてください。

まとめ

「逃げるは恥だが役に立つ」と「石の上にも三年」は対象的な意味合いを持っているかもしれませんが、どちらも大事な教訓です。

私は過去に辛い環境を耐え続けてうつになった経験があります。

今振り返ると、その場から逃げていたらもっと自分のことを守ることができてたのかなって思っています。でも、その経験があったからこそ得たものがあるのも事実です。

同じ経験を繰り返さないために、逃げる自分を許せるようになりました。

もちろん、人それぞれいろんな事情があると思います。

でも、必ず覚えておきたいのは「逃げること=負け」ではないということ。

逃げた先で、大変なことがあっても前向きに忍耐強く頑張れると思える場所が見つかったなら、それは自分にとっての「勝ち」になるのではないでしょうか。

~No Pasa Nada~

ノ パサ ナダ!

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