あなたの周りにはうつの人はいますか?
私は同期、上司、姉と、身近にうつの人がいるような環境がよくありました。自分自身も中学生時代にうつになった経験があります。
うつはとても一般的ではありますが、その人たちと関わることに恐怖を覚えてしまう方もいると思います。
今回は、TEDの講演を参考にうつの人と関わる方法について解説していきます。
鬱の友達と心を通わせるには(TEDの説明)
動画のタイトルは”How to connect with depressed friends” (鬱の友達と心を通わせるには)。
この講演のスピーカーはコメディアンのビル・バーナットさんです。
彼自身も8歳のころにうつを発症し、その後は過食、依存症、社会不安障害などの障害を乗り越え回復しました。
そのため、うつの人とそうでない人の立場を経験しています。
多くのうつ病患者と携わったことのある彼が、うつ状態の人に「しないほうがいいこと」「したほうがいいこと」を解説しています。
日本語字幕でも見れますので、興味がある方はぜひ視聴してみてください。
どうしてうつの人と関わるのを避けてしまうのか
うつの人と関わる時、無意識に身構えたり、関わるのを避けてしまうことがあるかもしれません。
そうなってしまう原因はいくつかあります。
相手の健康状態に責任を感じてしまう
うつの人と関わると、その人の心の健やかさに対する責任がとたんにのしかかって来るのではないかと恐れてしまうかもしれません。
「自分のせいで落ち込んだらどうしよう」
そう感じたら怖くなってしまいますよね。
あまり深く考える必要はないかもしれません。ただ友好的に接すれば良いのです。
何を話せば良いのかわからない
「うつの人と話す時、何を話せば良いのか分からない。」
「どんなことを話してもギクシャクしてしまって、間が持たないのではないかと心配。」
そう感じることがあるかもしれません。
でも、「何を言うか」が一番重要なことではありません。
話すことがなくても、その人の隣にいるだけでその人にとって大きな励みになります。
うつが伝染してしまうことが怖い
うつ病の人の近くにいたらうつがうつってしまう。
そう聞いたことがあるかもしれません。
でも、うつ病はウイルスや病原菌ではないので、風邪のように空気感染してしまうことはありません。
その人とよほど頻繁に携わることがない限り、簡単に伝染することはありません。
うつ=人と関わりたくないわけではない
Depression doesn’t diminish a person’s desire to connect with other people, just their ability.
Bill Bernat
バーナットさんはうつ状態の人について、人と関わりたい気持ちを失ったわけではないと話します。
ただ、その能力が低下しているだけです。
多くの人はうつの人たちは知能に障害があると考えがちですが、実際はそんなことありません。
考え方が正常な人たちと少し違うだけです。
うつ状態の人たちにやってはいけないこと
講演では、うつ状態の人たちに対してやらないほうが良いことをいくつか紹介しています。
無責任な言葉をかけること
やってはいけないことの1つ目は、「立ち直れ」「忘れてしまえ」のような無責任が言葉をかけることです。
有効的なアドバイスを伝えているようですが、立ち直ることも、忘れてしまうこともできないのがうつ病です。
とにかく直そうとしないこと
うつの人たちを無理に直そうとするのはやめましょう。
期待に答えられない時に、あなたを失望させてしまうのではないかとプレッシャーになってしまうことがあります。
また、他の人達には効果があることでも、うつの人たちには効き目がないことがあります。
些細なことでムキになること
うつの人たちの関わる時、些細なことで腹を立てることはやめましょう。
色々とアドバイスをしても、すべて否定されるかもしれません。
「せっかくあなたのためを思って言ったのに」とムキになることはやめましょう。
前向きに考えることができず、アドバイスを素直に受け取れる状態ではないのかもしれません。
うつ状態の人たちにやっても良いこと
自然体で接すること
うつの人たちと話す時、無理に取りつくろう必要はありません。ただ、自然体で接すれば良いのです。
無理して親切心を見せる必要もありません。
力になりたければ自分のできること、できないことを正直に伝えても大丈夫です。
例えばメールのやりとりをするのであれば、事前に「この日はすぐに返せないけど休日はすぐに返せるよ」などと正直に話しましょう。
そうすることでその人との信頼関係も生まれます。
同意を求めること
もしも大切な人がうつになってしまったりうつの人と関わり続けたいと思うのであれば、彼らの意見を尊重しましょう。
こちらが心配して毎日電話をしたいと思っても、そのことが相手に負担になってしまうことがあります。
同意を求めることで、自然体で接するのと同じように彼らからの信頼が高まります。
うつとは関係ないことで関わること
うつの人たちと関わるとき、うつ病とは関係のないことで関わりましょう。
映画を観たり、買い物に誘ってみましょう。
その人のためというよりも、あなたの日常をより豊かに、楽しくするために声をかけてください。
会話相手として不足しないこと、ありのままでも存在価値があるということを伝えることができます。
一番大切なこと
If you talk to a depressed person as if their life is just as valuable, intense and beautiful as yours, then there’s no need to build a bridge between you, because you’ve closed the chasm.
Bill Bernat
鬱の人の人生があなた自身の人生と同じくらい濃いもので大切で美しいという意識で話してくれたら、もうその人とあなたの間には橋をかける必要なんてありません。溝はもう埋まっているからです。
うつ状態の人と接する時、何を言うか、どう接するかはそこまで重要ではありません。
一番大切なのは、その人がうつ状態であるということは関係なく、その人自身を尊重し、「あなただから関わりたい」「そのままでも大丈夫」だということを伝えることだと思います。
まとめ
私達は、怖がる必要がないことに怖がってしまうことがあります。
どう接すれば良いのかわからないからです。
この講演で紹介されていることを実践してもうまくいかないことがあるかもしれません。
それでも、一番大切なのはその人の心に寄り添い、存在を尊重することです。
うつだからと言って憐れむのではなく、同じ目線で接することを意識しましょう。
そうすればきっと気持ちは伝わります。
~No Pasa Nada~
ノ パサ ナダ!
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